―プロローグ―

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  京が胸ポケットから シンプルなメモ帳を出して サラサラと何かを 書き出していく。 まあ、内容は判ってるけど。 慣れた手つきで メモをちぎって 俺に渡した。 「サンキュ」 「門限までには 帰って来いよ」 フードの上から ポンポンと大きな手に 覆われる。 こんな風に 頭を撫でられるのは 妙に恥ずかしい。 けど悪い気はしなかった。 「タクシーで1時間程度だ。 金あるか?」 「心配ご無用。 じゃ、また明日」 「おう。 気ぃ付けろよ」 「おー」 と、正門からは出られないので 理事長から教えてもらった 秘密の扉へと向かった。
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