言霊

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今こうして使っている言葉は、本当はすごく危険なんだと思った。 ねこまたさんは、あんまり関係ない話。 僕はよく、変わり者だと言われてきた。 その「変わり者」とよく言う筆頭が、ばあちゃん(曾祖母)とおばさん(祖母の妹)だった。 当時、環境に馴染めなくて不安定だった僕の精神状態を、完全に壊したのはこの人達だと思っている。 周りの人間と合わなくて、誰とも会いたくないときに、誘いに来た人を返してもらったことがあった。 「お前は頭がおかしい」 「お前はきち○いだ」 「あの子の娘だから」 とにかく、僕が何か起こす事に「頭がおかしい」「きち○いだ」と言われ続けた。 人とは不思議なもので、言われ続けると段々と自分でそうなろうとしていく。 ある種の洗脳が働くんだと思う。 今でも「僕は頭のおかしい、きち○いだから」というのは僕の口癖になっている。 自分の頭はおかしいんだ、と完全に刷り込まれているんだろう。 口にして、自覚する度、ねこまたさんの恨みなんかより、ずっとずっと重たく苦しいものが絡みついている感覚。 そんなことを言ったら、ねこまたさんはけらけら笑っていた。
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