出会い

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あの家の裏手には小さな用水路と土手、それから竹林があった。 家のすぐ裏側に、裏庭と呼んでいいのかすら分からない空間があって、その裏庭と土手の境目が小さな用水路。 土手の上の方が竹林になっていて、よく見えないけれど、竹林の上には余所の家がある。 裏庭みたいな空間から、用水路を飛び越えて土手によじ登り、その上を走り回る。 草を引き抜いては散らし、土手から飛び降りて勇気を試す。 田舎の自然は、当時、園児だった僕の格好の遊び場でもあったわけだ。 その日も園から帰ってきて、家の中があまりにも退屈だったんで外に出た。 多分、じいちゃん(曾祖父)とテレビのチャンネル争いして負けたんだと思う。 悔しさを噛み締め、そんなに相撲が好きならお相撲さんにでもなればいいのに、なんて悪口を言いながら。
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