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「どうして?」
「自分を否定し続ける限り、答えはわからんよ」
大きな猫が大きな口を開けてあくびをする。
牙と真っ赤な口を見て、今更怖くなった。
どうしようかと思っていたら、表の方からばあちゃんが僕を呼んでいるのが聞こえた。
正直助かったと思った。
「ばいばい、ねこまたさん」
「ああ、またな」
意外にもあっさりと帰してくれて、かなり拍子抜けした。
急いで土手から飛び降りて、表の方に走っていく。
ちらりと振り向いたけど、大きな猫はもう、そこにはいなかった。
大きな猫改め、ねこまたさんと僕の出会いはそんな感じ。
その日から『あの家』を出るまで、僕はねこまたさんと様々なことを経験する事になる。
思い出した話から、ちょっとずつ書いていけたら、と思う。
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