はじまり

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俺たちの決まりの1つ。 斗瀾ちゃんは毎月1回順番に誰かの部屋で寝る。 みんなで決めたことやねん。 斗瀾ちゃんはずっと1人やったから寂しくないようにせなあかんねん。 今月は裕ちんの部屋やったみたいや。 「やって2人とも起きへんのやもーん。信ちゃんに会ったから言うたら代わりに行ってくれてん。」 ヤスはのほほんと答えた。 それでも2人の文句は収まらへん。 「頼むからヒナには絶対にやらせるなや!!」 「やったら呼んだらちゃんと起きてやぁー。」 「約束するから!ね、すばる君!」 斗瀾ちゃんはすばる君を見た。 「俺、低血圧やからムリ。」 すばる君は眉間にしわを寄せたままきっぱりと言った。 「そんなこと言わないでよー。」 「すばる、仮にもヒナの娘や。泣かせたらエラい目にあうで?」 「……ガンバるから泣かんでや?」 「ありがとー。」 そう、言い忘れたけど斗潤は信ちゃんのとこに戸籍上娘として入ってん。 学校とかで面倒なことにならんようにっていう信ちゃんなりの気遣いやねん。 「アカン、遅刻するー!!」 そう言って階段を駆け下りてきたのはウッチーや。 「マルちゃん、朝飯おれいらんわ!行ってきまーす!」 ウッチーは鞄を片手にあわてて玄関を出てった。
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