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それを追いかけるように信ちゃんが階段を駆け下りてきた。
「内、台本忘れとるー!!」
「ヒナちゃん、その台本はもう使わないのだよ?」
「え、ほんまか?」
「ヒロくん、使い終わった台本は表紙に済みマーク付けてる。」
「あ、ほんまや。」
信ちゃんは台本をテーブルに置くと朝飯をテキパキとテーブルへ並べていった。
「ほら、はよ食べな遅れるで?特にヨコと亮。」
「アカン、ホンマや!」
「ほら、亮はよ食べ?」
亮ちゃんはヤスに促されながら黙々とご飯をたいらげていった。
「あたしも食べよ。マルちゃん、お味噌汁ちょうだい。」
「ええよー。持ってくるから先食べとって?」
「はーい。」
斗瀾ちゃんは裕ちんの隣に座ってご飯を食べだした。
「そういえば、斗瀾今日は学校で球技大会やろ?はよ行かなくてええのか?」
信ちゃんは斗瀾ちゃんの前に味噌汁のお椀を置いて言った。
「うん。2日目だから大丈夫。予選敗退した人は遅れて登校してもいいことになってるから。」
「ならええけど・・・。ってことはお前のチーム予選敗退したんか?」
「うん。敗者復活にも行けなかった。」
斗瀾ちゃんはちょっと残念そうに言うと信ちゃんが作ったたまご焼きを口に入れた。
「なんでや!あんだけ教えたやんけ!」
裕ちんは食べ終わった茶碗を流しに持っていきながら吠えた。
確かに1週間前、斗瀾ちゃんは裕ちんからバスケのコツを教えてもらっとる。
あ、斗瀾ちゃんは球技大会でバスケやったんやで。
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