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「だが、ここでライカン・スロープの効果が発動するぜ! ライカン・スロープが戦闘でダメージを与えた時、自分の墓地に存在する通常モンスターの数かける200ポイントのダメージを与える。俺の墓地に居る通常モンスターはシルバー・フォングとホワイトタイガーの二体。よって400ポイントのダメージをくらえっ!」
黒一のライフポイントが更に400ポイント減り、残りのライフポイントが2400ポイントとなった。
「よしっ、俺はこれでターンエンドだ。どうするよクロ? この状況をどう打破するんだ?」
既に勝った気でいる煉瓦は余裕の表情で笑みを浮かべて黒一を見下した。しかし、黒一の顔はまだ諦めた顔ではなく―――寧ろ楽しそうである。
「勝負はまだまだこれからだろう」
にやりと笑う黒一に煉瓦も「確かに」と笑い返した。
小机煉瓦フィールド。
LP1200。
手札0枚。
モンスターカードゾーン。
星6、ライカン・スロープ〔ATK3900/DEF3300〕攻撃表示。
魔法/罠カードゾーン。
装備魔法、契約の履行、ライカン・スロープ装備。
装備魔法、リチュアル・ウェポン、ライカン・スロープ装備。
「中々どうして二人とも攻撃一点な戦術だな」
光年が微笑しながら感想を言う。それに対して羽子も「そうですね」とその意見に賛同を示した。
「でもですよ鶯谷先輩。クロが何の罠も無しにターンを終了するのは結構珍しいんですよ」
「言われて見ればそうだね。いつもは何かしら仕掛けているもんな。さてさて、遊天寺がこの後どうするのか見物だな」
二人が期待を込めて黒一を見る。その視線に一切気付かずに黒一は自分のターンを開始した。
「そんじゃいっちょ軽く俺もディスティニードローと洒落込みますか。俺のターン! ドロー!」
黒一がカードを引いた時、一瞬だけカードが光った様に見えた。
「来たぜ、俺のディスティニー! 俺は魔法(マジック)カード、死者転生を発動!」
「死者転生だと?!」
「このカードは手札を一枚捨てて墓地のモンスターカードを手札に加える魔法(マジック)カード。俺は手札を一枚捨て、墓地に眠る騎竜を手札に加える」
黒一は墓地から騎竜のカードを回収して手札に加えた。
「そして俺は終末の騎士をリリース! アドバンス召喚、出でよ騎竜!」
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