【turn.1 世界の終焉】

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 フィールドの終末の騎士が光に包まれ、光が消えるとそこから赤き竜が羽ばたき登場する。  騎竜〔ATK2000/DEF1500〕。 「まだまだ行くぞ! 俺は騎竜をダークソードにユニオン!」  騎竜が宙で旋回しながら飛んでいると、それにダークソードが高くジャンプして飛び乗った。  闇魔界の戦士ダークソード〔ATK2700/DEF2400〕。 「けっ、それでも攻撃力2700じゃねえか。それじゃ今のライカン・スロープは倒せねえぜ」 「確かに倒せねえな。でも倒すのと勝つのは意外と同意語じゃないんだぜ」 「はあ? 何言ってんだ、お前?」 「俺は騎竜のもう一つのユニオンエフェクトを発動! ユニオン状態の騎竜をリリースする事でダークソードは直接攻撃(ダイレクトアタック)する事が出来る」 「なっ?!」 「行くぜ、ダークソード! 直接攻撃(ダイレクトアタック)だ!」  騎竜が宙で光に包まれ、ダークソードはそこから飛び降りる。そして騎竜は光の中に消え、ダークソードは輝く二本の剣を振り上げていた。 「闇魔界の斬撃、ダークソード・スラッシュ!」  二本の剣が煉瓦を斬り付ける。 「ぐわあっ!!」  この直接攻撃(ダイレクトアタック)により煉瓦は後方に吹き飛び、ライフポイントも0になる。  勝者、遊天寺黒一。  ソリッドビジョンのモンスターが消え、決闘(デュエル)は終了した。 「まっ、俺の勝ちで決闘終了(デュエルエンド)だな」  満面の笑みで黒一は倒れている煉瓦に向かってピースサインを見せ付ける。 「くそったれがっ、また負けたぜ」  悔しそうに頭を掻きながら煉瓦は立ち上がった。その悔しさなのか表情が普段にも増して厳つい。 「いやいや、面白い決闘(デュエル)だったよ、二人共」  軽く拍手をしながら光年が二人に話しかけた。その光年の姿を見た二人は驚きの表情を隠せていない。 「あれ、鶯谷先輩いつの間に来たんすか? ってか俺もう帰っていいっすよね?」 「てめっ鶯谷、勝手に決闘(デュエル)見てんじゃねえよっ!」 「お前達、先輩である僕をあまり尊敬してないな? 遊天寺はまだ帰っちゃダメに決まってるし、小机はもっと敬語を学べ」
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