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配線等か付いたままの人の身体を持つ獰猛な狼―――ライカン・スロープが遠吠えを轟かせて降臨した。
ライカン・スロープ〔ATK2400/DEF1800〕。
「覚悟しろよ、ライカン・スロープでダークソードに攻撃! バーククラッシュ」
ライカン・スロープが息を溜め、強大な遠吠えを超音波の如くダークソードに向けて放った。しかし、その超音波はダークソードの前で何かに吸収される様に消えていく。
「甘いぜ煉瓦。俺は罠(トラップ)カード、攻撃の無力化を発動。ライカン・スロープの攻撃を無効にさせてもらうぜ」
黒一は右腕を前に出し、セットしていたカードを煉瓦に見える様に表向きにしている。
「ちっ、攻撃の無力化か。ダークソードを守りやがって。これじゃあライカン・スロープの効果も意味がねえ。俺はターンエンドだ」
小机 煉瓦フィールド。
LP3700。
手札一枚。
モンスターカードゾーン。
星6、ライカン・スロープ〔ATK2400/DEF1500〕攻撃表示。
魔法/罠カードゾーン。
無し。
「ふむふむ、中々どうして小机は狼型モンスターを使ってる割には爪が甘いよな」
ここまでの決闘(デュエル)を見て光年が感想を述べる。その感想を聞く羽子は首を傾げた。
「そうなんですか? 今だって攻撃こそ通らなかったけど煉瓦が優勢じゃないですか。次のターンでライカン・スロープの攻撃が通れば結局やられちゃうわけだし」
「ふふふ、君ヶ浜もまだまだ決闘者(デュエリスト)としては甘いね。決闘(デュエル)はその君ヶ浜が言うところの次のターンでいきなりどんでん返しが来ちゃったりするものなのだよ」
そう言って光年は腕を組み、二人の決闘(デュエル)に再び熱い眼差しで静観の態勢を取った。羽子もまだ分からないと言った顔をしつつも、光年同様に二人の決闘(デュエル)に視線を向ける。
「行くぜ。俺のターン、ドロー! 俺は終末の騎士を攻撃表示で召喚」
全身が黒いサングラスをかけた騎士が黒一のフィールドに姿を現した。
終末の騎士〔ATK1400/DEF1200〕。
「なんだあ? この後に及んで雑魚モンスターを並べてだけかよ、クロ?」
「おいおい、俺のモンスターが雑魚な訳ないだろ。召喚に成功した終末の騎士のエフェクトを発動。自分のデッキから闇属性のモンスターを一体墓地へ送る」
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