そこにいるモノ。

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私は夜道を歩いていた。 飲み会からの帰り道。 夏草の香りが辺りに漂い、微酔い加減に融けた思考を少しずつ醒ましてくれている。 ここから家までは、五百メートル弱という中途半端な距離だった。 タクシーを使うにも微妙。 けれど家は坂の上。 私はそんな辺鄙なところに住んでいた。
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