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俺の……せいだ。
俺が男を倒しておけば……。
こんな事にならなかった筈だ。
「マリ……。良い…名前だな……!」
俺の目から涙が溢れる。
その涙は悲しさと、自分の無力さに対する悔しさが混じっていた。
「おいおい悲しむなって。今お前もあのガキと一緒の所に送ってやるよ」
ジャキッ
男は銃を構えた。
刀を失った男は詠唱を始めた。
「―炎よ、焼き尽くせ〝-Fireball-〟―!」
「くらえ!」
バン!
俺に火球と水色の銃弾が一斉に向かってくる。
それを俺は……
避けなかった。
シュウッ……
だが2つは俺の目の前で【消えた】。
「くそっ!またかよ!何なんだあいつ!」
「攻撃が効かねぇ!?逃げるぞ!ボスに報告だ!」
危険を感じた2人は逃げようとする。
だが逃げられない。
俺は2人の前にいた。
そして……
「【消えろ】」
俺は片方の男の顔を掴んで言った。
するとその男の首から上が消えた。
そしてそこから血が噴水のように吹き出す。
「ひっ!う、うわぁ!」
残った男はまた逃げる。しかし、やはり逃げられない。
俺は男を掴んで顔を殴った。何度も……何度も。
数分後……
俺は我に帰った。
そして自分の周りを見る。
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