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「そうか……。じゃあもう1つ聞く。お前は人を殺した事があるか」
またもやニコルが尋ねてくる。
今度は少し怒りを込めた口調で。
嘘はつきたくないけどニコルに言っても……。
「いや俺は人を殺した事は――」
俺は言うのを止めた。いや止めさせられた。
ニコルはあの男達とは比べ物にならないくらいの殺気を俺に向けてきた。
「次に嘘吐いたら、殺す」
ゴクッ。
本気だ…。
何でニコルはマリにそこまで…。
「…あぁ、殺した事があるよ」
「誰を殺した…!」
ニコルの声が微かに震えていた。
「…………。」
俺は黙ってしまった。
もしかしたらニコルの娘って…マリじゃないかって思ったからだ。
「誰を殺したか…言え!」
今度は微かにではなく完全に震えていた。
「なんでそんな事「言え!」
ニコルは絶対分かってる筈だ。
だがそれを俺自身に言わせたいのだと思う。
そうしなきゃ俺が罪から逃げた事になるから…
「……マリ」
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