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「だからか…。マリはニコルの娘…だよな」
俺は恐る恐る聞く。
「……お前に話した娘とは違う」
俺は不謹慎にもホッとしていた。だが、とニコルは続けて
「妻と娘を失った俺にとってマリは本当の“娘”の様な子だった。1人になった俺を心配して毎日店に来て、毎日手伝いをしてた。ある日、マリに家族は心配してねぇのか?って聞いたんだよ。そしたらマリは皆死んじゃった。とそれだけしか言わなかった」
罪悪感で潰れそうだった。
「俺が強くなかったから…」
「いや、もう良いんだアキ。お前の記憶を見て分かった。お前はマリを守ろうとしてくれた、だが男が殺した。それにキレたお前が男を殺した。それだけだろ?」
「……っ!」
ニコルは優しくそう言い、俺を抱いてくれた。
「ちが、う…!俺が……!弱かっ……たか…ら!」
俺は耐えきれず泣いた。もう泣くのを我慢できなかった。
「いいんだ。お前は何も悪くない。さっきは殺すなんて脅して悪かった……」
そういい抱く力を強めるニコル。
「俺が……っ!弱……いから!だ……から!マリは!」
「そう自分を責めるな。マリだって助けようとしてくれて嬉しかった筈だ。だがお前が泣くことをマリは望んでないぞ?」
「ひぐっ…!ニコ、ルっ!うわぁぁぁぁ!」
「よしよし。何てな!母親みたいな事似合わないよな!」
ダハハハ!と笑っていつものニコルに戻った。
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