シンフォニーワールドⅠ

～日常～

ｶﾞﾁｬｯ
「はーーい」

「あ、こんにちは。えっと、あか……しろさんですか？」

名前違うだろ。
でもうちって珍しい名前だからよく間違えられるんだよな。
「あかじょうです。あ、用件は？」

「す、すみませんでした！ 最近バイト始めたので……」

いやいつバイト始めたかは関係ないでしょ。

「そうなんですか。それで、用件は？」
俺周りから見たら絶対冷たい人だよな……。

「あ、えと、秋さん宛に手紙が来てるんですけど」

ｵﾄﾞｵﾄﾞした感じでいう。よく見たら俺と同い年っぽいな。しかもちょっと、いやかなり可愛い。

「そうですか。あの、もし良ければ名前教えてくれませんか？」

は！ やってしまった！
何で初対面の人の名前聞いてるんだよ！ あぁ、嫌われたかも……。

「えっと、東条 凛（ﾄｳｼﾞｮｳ ﾘﾝ）ですっ」

なに！？ 何て優しい人だ……。

「いい名前ですね。あ、こんな所で時間使うと勿体無いので早く次の仕事行った方が……」

「ふぇ？ あ！ 時間ないよ！ あ、あの！ 失礼します！」
ﾊﾞﾀﾝｯ

急いで出ていった。 残念……。

あ！メールアドレス聞くの忘れた！
あぁ～～……。

俺は夏休み初日でいきなり挫けた。