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「…なんですか?」
麗惺は、首を傾げながら不思議そうに雅司を見る。
「…えっと…その…」
「??…」
「あ~…兄さんは、麗くんに他人行儀に接されてるのが嫌なんだと思うよ?…もちろんオレたちだって普通に接してほしいんだよ?」
和茨は、言い淀む雅司を見て苦笑を浮かべながらそう言った。
「そうそう!オレたち家族なんだからさ!!」
「!…(家族…)」
麗惺は、颯史の言葉に昨年の暮れに亡くなった母、皐月を思い浮かべていた。
「麗惺は、今日から如月の人間なんだよ…」
雅司は、そう言ってどこか悲しげな顔をした。
「それって…やっぱり…」
「ごめん…本当は麗惺にちゃんと話してから如月に来てもらうつもりだったんだけど…親父がいつの間にか…」
「…俺を水無月の籍から引き抜いていらしたんですか?」
「…ごめんな?」
雅司は、麗惺の言葉にどこか痛みを堪えるように表情を歪めた。
「いえ…」
「お、怒った?…や、やっぱり俺のことなんてき、嫌いに!!!」
「大丈夫ですよ…嫌いになんてなっていませんし…怒ってもいません…」
麗惺は、雅司の言葉に思わず苦笑を浮かべながらそう言った。
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