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聖夜会。
それは、救世主、イエス・キリストの再誕をモチーフにと考えられたパーティーで企画提案は理事長である和茨が手がけた。
そして、今その主役である麗惺は、夕方迎えに来た和茨によって身なりを整えられていた。
「よし、完璧だね…」
「…ありがとう、和茨叔父さん…」
「クス、麗くんのためならこれくらいいくらでも♪」
和茨は、そう言って幸せそうに微笑む。
「…和茨叔父さん…この学園の特殊な階級について聞いたよ」
「!…そっか…」
「和茨叔父さんにならどうとでも出来たんじゃないの?」
「…ん~…オレ自身ここの卒業生でね…その頃にはすでに今の校風が出来上がっていてオレ自身それが“普通”だと認識して生活してたんだよ…」
「でも、今なら普通じゃないことくらいわかる…違う??」
「…確かにね…でもここは独自の独裁国家と変わりない…所詮、オレは部外者…いくら、規則を改定しても目の届かないところではその効力は皆無…わかるかな?」
「つまり、中からどうにかするしかない…」
「うん…麗くんはそれをやる??」
「…そんなたいそうなことをするつもりは無い…でも…」
「でも?」
「…間違っていることは間違っていることであってそのままにすべきことじゃない…」
「うん…そうだね…」
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