388人が本棚に入れています
本棚に追加
「フフ♪オレ、麗くんのこと本当に気に入っちゃった♪性格もオレ好みだし♪」
和茨は、麗惺に抱きついて上機嫌にそう宣った。
「貴様…今すぐ麗惺から離れろぉ!!!」
雅司は、そう言って怒鳴り声を上げる。
本当に限界のようだ。
「…チェッ…」
和茨は、小さく舌打ちをして渋々麗惺から離れる。
「…大丈夫?麗くん??」
颯史は、和茨を睨みながら心配そうに麗惺に声を掛ける。
「は、はい…いきなりで驚きはしましたけど…大丈夫です…」
「和兄はオレより性質が悪いから気をつけてね?」
「え?…どういう…」
麗惺は、颯史の言葉に不思議そうに首を傾げる。
その背中には嫌な汗が伝っている。
「オレは、ホモで…和兄はバイだから…あ、ホモとかバイとかってわかる??」
「……ほ、ホモセクシャルとバイセクシャルのことですよね??…知識的にでしたら一応は…」
麗惺は、思わず顔を引きつらせながらそう答えた。
「そっか♪」
颯史は、麗惺の言葉ににっこりと微笑んで満足げに頷いた。
「………麗惺…」
その場に寂しげな声が落ちる。
それは、眉をハの字に下げた雅司のものだった。
その様子を例えるなら捨て犬のようだ。
最初のコメントを投稿しよう!