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「で、でも…」
「…それで、俺はこれからどうすればいいんですか?」
麗惺は、雅司の言葉を遮ってそう言葉を紡いだ。
その瞳はまっすぐ三人に向けられている。
「…麗くんには、オレが理事長を勤める学園に入ってもらう…」
麗惺の言葉に返事を返したのはそれまでことの成り行きを見ていた和茨だった。
「学園…ですか…」
「うん。名前くらい聞いたことあるんじゃないかな?“私立蒼薗学園”」
「ええ…名門中の名門にして全寮制の男子校…そして、世界中のセレブ・上流階級のご子息の通う学校ですよね?たしか、小・中・高・大学までエスカレーター式だとか?」
麗惺は、そう言って淡々と蒼薗学園について知っていることを述べていく。
「そうそう!そこに麗くんはこれから三年間通うんだよ!一先ずね♪」
颯史は、そう言ってにっこりと微笑みながら麗惺の隣に腰を下ろす。
「一先ず…ですか?」
「ああ…いくらなんでもいきなり過ぎたと俺たちも思うからね…せめて高校までは自由に過ごしてほしいんだ…ただ、親父がうるさいから如月の権力の及ぶ範囲内でってことになったけど…」
「…つまり、猶予ということですか?(如月の名を名乗ることで危険は増す…その為の全寮制…)」
「!…三年間で考えをまとめてほしいんだ…如月の後継となるかどうかを…」
雅司は、そう言って麗惺に視線を合わせる。
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