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翌日。
麗惺は、和茨に連れられ如月家本邸を後にした。
颯史に寂しがられ、雅司の号泣に見送られながら…
そして、今麗惺は蒼薗学園の第一応接室にいる。
「…台本…ですか?」
麗惺は、目の前に差し出された薄い冊子に目を向けてそう呟いた。
その眉間には訝しげに僅かだが皺が刻まれている。
「うん。今夜のセレモニーのシナリオだからちゃんと目を通しておいてね?」
「シナリオって…ただの夜会ではないんですか?」
「勿論♪今夜の夜会は名づけて聖夜会(セントナイトパーティー)…別名、麗くんのお披露目パーティー♪」
「…お披露目…ですか…」
「うん!」
「ぜひとも遠慮したいのですが…無理なんでしょうね?」
「勿論♪」
和茨は、麗惺の言葉に満面の笑みでそう答えた。
「…ハァ…」
「これは麗くんのためでもあるから我慢してね?」
ため息をつく麗惺に和茨は困ったように苦笑しながらそう言った。
「!…(俺の…)」
「昨日も言ったけど…ここは同性愛者の巣窟なんだ…」
「はい…」
「麗くんは自分の容姿に自覚がある??」
和茨は、にこりと微笑んで徐にそう問いかける。
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