第一章~危険人物~

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「…容姿ですか?…そこそこ見た目がいい…ぐらいですか??」 「“そこそこ”ねぇ…(まぁ、無自覚よりはマシかな…)」 麗惺の返答に困ったように苦笑を浮かべて和茨はそう呟いた。 「たまに街で声を掛けられますから…」 「たとえばどんな?」 「えっと…“お茶を一緒に…”とか“遊びに行かないか?”とか…ですかね…ああ、あと“モデルやりませんか?”なんてものもありましたけど」 麗惺は、そう言ってつらつらと答えていく。 その返答に和茨の眉が僅かにひくつかせた。 「…やっぱり…(それだけ声を掛けられて“そこそこ”なんだね…麗くんの中では…)」 「??」 「とにかく…麗くんを“如月”だと知らしめるためにも今夜の夜会は絶対に必要なことなんだ…」 「!…そうですね…今までのようには行きませんよね」 麗惺は、そう言ってどこか寂しげに呟いた。 「…麗惺くんに不必要に傷ついてほしくないんだよ…」 「はい…ありがとうございます…」 麗惺は、そう言ってどこかはにかんだ笑みを浮かべた。 「うん……で、その口調は何なのかな??」 和茨は、満面の笑みで麗惺に尋ねる。 心なしか笑顔の下から何がどす黒い何かを感じずにはいられない。
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