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「さてと…それじゃぁ、夜までこの応接室を使って良いからね?オレも一緒に居たいけど仕事が残ってるから…」
和茨は、本当に残念そうにそう言ってソファから立ち上がる。
「あ、うん…ありがとう」
「ああ、そうだ…もし学内を見て回りたいんだったらこの呼び鈴を使ってね??」
和茨は、そう言って入り口近くの机に置いてあった純銀製の呼び鈴を麗惺に手渡す。
「え?…これ…(さすが金持ち学校…無駄なとこにお金使ってるなぁ…)」
「一人で学内を見て回ろうとしたら絶対迷っちゃうからね…この呼び鈴を使えばすぐに案内係が来るから…遠慮なく使ってね??」
「…(遠慮なくって言われても…たかが学園内を見て回るだけに…そりゃ、ここは無駄に大きいし豪華だけど…)」
「…何なら今から呼んでおこうか??麗くん遠慮しちゃいそうだし…」
和茨は、そう言って麗惺の手にある呼び鈴に手を伸ばす。
麗惺は、慌てて呼び鈴を和茨から遠ざける。
「だ、大丈夫だよ!!」
「本当に?」
「…(出来れば人を顎で使うようなことはしたくないからなぁ…保障は出来ない)」
麗惺は、和茨の問いかけに苦笑を浮かべていることしか出来ない。
「…やっぱり呼んで置こう」
和茨は、そう言って懐の携帯に手を伸ばす。
呼び鈴がだめなら直接呼び出そうという考えのようだ。
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