388人が本棚に入れています
本棚に追加
「仕事?雑用係なんですか??」
麗惺は、雪也の言葉にどこか不満そうにそう言って手荷物から取り出した本をめくる。
「え!?…あ、雑用係と言うか…主に理事長や王族階級の方の命令を聞くのが召使いの校則の一つですので…」
雪也は、麗惺の言葉に戸惑いながらもそう答える。
「…王族階級??」
麗惺は、雪也の言葉に出てきた王族階級と言う聞きなれない言葉に本に向けていた視線を雪也に向けた。
「!///」
雪也は、その向けられた麗惺の顔に息を呑んだ。
先ほどまで麗惺の姿を見ようとしていなかったので麗惺の美しさに気づいていなかったのだ。
「?…山田君??」
「!!し、失礼いたしました!!///お、王族階級と言うのはS級に属されている方々の学内でつけられた階級のことでございます…その下に貴族階級・執事階級・召使い階級が存在いたします」
雪也は、麗惺の質問に答えるために学内の階級制度について簡単に説明していく。
しかし、その顔は説明をしていくごとにどんどんと悪くなっている。
「山田君…」
麗惺は、なおも王族階級について説明しようとしている雪也の言葉を遮った。
「っ!…な、何でしょうか…」
雪也は、麗惺の次の言葉に身構えるように息を詰まらせた。
心のどこかで、頭の片隅で彼は他の金持ちと違うんじゃないかと思いながらもやはり信じ切ることは出来ない。
最初のコメントを投稿しよう!