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それから二人はソファに座り談笑をしていた。
勿論、涙で濡れてしまった制服はちゃんと個室で着替えた。
なぜ応接室に個室があるのか麗惺は不思議がっており、途中自分も手伝うと言って個室に入って来ようとする雪也を締め出すのに少し時間を要したが無事一人で着替えることに成功した。
「…称号?」
麗惺は、不思議そうに雪也の言葉を反復する。
雪也は、あれから学園の規則や階級制度のことについて事細かに説明してくれている。
その中で今麗惺が説明を受けているのは、王族階級に与えられた特別な称号とその称号を持つものだけが与えられた“称号を与えることの出来る権利”のこと。
「はい。この学園には俗に王族と呼ばれる階級が存在することは先ほどお話しましたね?」
「確か、S級がその王族階級に属するだっけ?」
麗惺は、そう言って先ほど暗い表情で王族階級やその下に属する階級を話してくれた雪也のことを思い出す。
ちなみに麗惺の敬語が取れているのは雪也にやめてほしいと懇願されたから勿論、麗惺も敬語ではなく普通にしてほしいと言ったのだがあえなく撃沈。
「はい。そのS級は定員が10~11名と予め決められていてその人数分だけ称号と役割が決められているんです」
「称号と役割??」
「称号は、すべてで6種類あります。王(キング)・王子(プリンス)・女王(クイーン)・騎士(ナイト)・僧正(ビショップ)…それから、救世主(メシア)です…そして始めにあげた救世主(メシア)以外の五つには二種類の色が決められており白(ホワイト)・黒(ブラック)に分かれます」
「つまり、王だったら白い王様と黒い王様がいるってことか…」
「そのとおりです。そして、この五つにはそれぞれ役職が決められています。王(キング)は、生徒会会長を王子(プリンス)は、生徒会副会長を女王(クイーン)は、生徒会会計を騎士(ナイト)は、風紀委員長を僧正(ビショップ)は、生徒会書記を割り当てられているんです」
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