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「…じゃぁ、救世主(メシア)は?S級は生徒会も兼任しているって聞いたんだけど??」
「救世主(メシア)の役割は公に知られていません…僕ら一般生徒…王族以外の者にわかっていることは壱に救世主(メシア)は誰でもなれる訳ではないということ。弐に初代救世主(メシア)が定められてから今まで救世主(メシア)の位置は空席だったと言うこと…最後に救世主(メシア)は誰の指図も受けない絶対不動の地位だと言うことです」
「…絶対不動?」
「はい。実は、王族…S級の中にもさらに細かな優劣があるんです」
「なんとなく今までの流れから想像できるよ…さしずめ、王>王子>女王>騎士>僧正ってとこかな?」
「そのとおりです…そして、その誰にも侵されることの無い位置に救世主は位置しているんです。ここまで出何か質問は?」
「特に無いよ…次の“称号を与える権利”について説明してもらえるかな?」
「はい。王族には騎士を二人、執事を三人、召使いと愛妾を持つ権利が与えられているんです」
「…騎士や執事までは理解できるけど…召使いと愛妾って…どこまで無法地帯なんだよここは…」
「…ここではそれが常識でそれが法律ですから…」
雪也は、麗惺の言葉にどこか嬉しそうな哀しそうな複雑な表情を浮かべる。
「…ハァ…理事長や先生たちは?」
「教師は、S級の家の権力を恐れて手を出せません…理事長は…学園内部のことにご興味が無いようですし…」
「…つまり、間違いを正すような人間は存在しない…ちなみにそのくだらない決まりは誰が??」
「いつの間にかこの学園内に浸透し出来上がった法律だそうです…」
「そう…話を遮ってごめん。説明の続きを頼める?」
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