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「勿論です…これらの騎士などを決めるにあたっても決まりごとが作られていて…騎士は、貴族階級から執事階級の者の中から、執事は執事階級から召使い階級の者の中から召使いと愛妾はどの階級の者でも構わないとなっていて…それを拒否することは出来ません」
「…なるほど…強制執行力があるのか…」
「この学園では王族の命令は絶対ですから…」
「…任命の方法とかはどうなってるの?」
「騎士については黒薔薇と白薔薇と名乗るように規約があります。任命は、それぞれの薔薇を模した規定のブローチを相手に贈り、誓いを立てさせるんです…執事の場合は、金剛石・青玉・紅玉の三つの宝石がブローチの代わりです。この宝石を装飾品に加工して相手に贈り、騎士と同じように近いを立てさせます…」
「…その贈るブローチとかは自分で?」
「いえ、正式な入学とともに理事長から贈られることになっています…おそらく麗さまは今夜の夜会で渡させることになるのではないかと…」
「…そう…」
麗惺は、そう言って何かを考えているのか黙り込む。
「あと…召使いには首輪の代わりにチェーンブレスレットを…愛妾には王族自身の気に入っている花の名前が贈られます」
雪也は、麗惺が興味のないことを承知の上でそう説明を付け加えた。
「ああ、そう…」
現に雪也の説明にも麗惺は生返事を返す。
どうやら考え事に夢中のようだ。
「…麗さま?」
雪也は、少し心配になり静かに麗惺に声を掛ける。
もしかしたら考え事に夢中で返事など返ってこないかもしれないと思いながら…。
「ん?…」
しかし、そんな雪也の心配は不要だった。
麗惺は、優しい微笑を浮かべながらしっかりと雪也に視線を向ける。
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