第一章~聖夜会~

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「…俺は、俺の思うように行動して思うように歩んでいくだけだよ…」 麗惺は、真っ直ぐ和茨を見つめてそう言葉を紡いだ。 「うん…麗君ならそう言うんじゃないかと思ったよ…でも、無理は禁物…もし何かあればいつでもオレに言ってね?オレの持てるすべてを使って麗くんの力になるから」 和茨は、そう言って麗惺の手を取り、その甲に唇を落とす。 さながらそれは騎士が忠誠を誓うかのような恭しいそれ。 「!和茨叔父さん!!!///」 麗惺は、いきなりの和茨の行動に顔を赤くしながらそう声を張り上げた。 「クスクス…本当に麗惺くんってば可愛い♪」 和茨は、そう言って楽しそうに笑うと最後に麗惺にフードつきのマントを着せる。 「もう!からかわないでください!!」 「ごめんごめん…さてと…シナリオは?」 「すべて暗記しました…」 「そう♪じゃぁ、最終確認として何かオレに聞いとくことは??」 「じゃぁ、一つだけ…執事(バトラー)を与えたい者がいるんだ…」 「!!!…いいよ…オレが口を出すことじゃないし…でも、今夜は救世主(メシア)のための夜だからアドリブの台詞でもちゃんと格好よくね??」 和茨は、麗惺のいきなりの言葉に驚き目を見開いたがすぐに冷静さを取り戻しお茶目なウインクをしながらそう言った。 「うん…わかった…」 麗惺は、確かな決意を瞳に宿して力強く頷いた。
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