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「え?どういう意味かな?」
剛輝は、不思議そうに小首を傾げてそう尋ねる。
≪僅かだが、魔が物の気配がする…なのに、この部屋の空気は凛と澄んでいて気持ちがいい…どうしてだ?≫
明は、部屋の中を見回して不思議そうにそう言った。
「え?魔が物?…あ、もしかして、今ここに預けられてる品の事を言ってるのかな?」
剛輝は、そう言うと部屋の奥の棚からいくつかの木の箱を取り出してくる。
そして、それを麻呼の前に並べた。
「これは?」
麻呼は、不思議そうに木の箱を眺めてそう尋ねる。
「これは、この事務所に預けられた品々だよ…手に取って見てごらん」
剛輝は、優しげな笑みを口元に浮かべながらそう言った。
麻呼は、並べられた木の箱のうち右から2番目の箱を手に取った。
「…これって真珠ですよね?」
麻呼が、手に取った箱の中には大きなビー玉ほどの真珠が入っていた。
「うん、日本産のホープパールとでも言おうか。その真珠には、一番最初の持ち主の怨念がこもっていてその次の持ち主から不可解な死を遂げるようになったんだ」
剛輝は、少し悲しげな眼で真珠を見つめてそう言った。
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