01.野良猫の彼女。

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「…あれ、授業は?」 …放課後ですけど? いくはあれから眠り続けたらしい。 休み時間も起きないまま。 お昼ご飯食べた後は確かに眠いよ。 それでもね、さすがにそんなに授業中寝ないよ。 もともと軽い癖毛の栗色の天パの髪が、寝癖で余計クルクルになってる。 「じっとしてて、今クシで髪の毛とくから」 「ありがとう」 何機嫌いいんだか、鼻歌まで歌ってる。 「ねぇ」 「わっ…ちょっと、いきなり動かないでよ」 「ひー、待っててくれたの?」 ニンマリ笑顔。プラス寝ぼけ。 子供みたいなあどけなさ。 あたしには無いものを持っている。 「…」 かわいいなぁ、そう思う。
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