出会いと始まり

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ーーーフルフル 鼠は首を振る。野良犬は眉間にシワを寄せる。 野良犬は考える。追い払うか、噛み付くか… だが鼠の言葉で野良犬の考えは揺らぐ。 「貴方と一緒に居たい…」 理解不能 今まで野良犬に懐く生き物は居なかった。 「………」 初めての出来事。だが野良犬は鼠の存在を無視する事にした。 何故だか解らないが、もし家まで着いてきた場合は飼ってやるかと考える選択が有った。 夜の雨の中を野良犬と鼠は歩く。 雨に打たれ、肌寒くても歩く。 見えて来たのは犬小屋。正確にはボロアパート。築80年は経っていそうな木造建築物。 錆びて奇怪な音を立てる階段を上り、自分の住家の扉を開ける。 古ぼけた扉は、今の主人を迎え入れる事が出来た。 野良犬は後ろを振り向く。もし後ろに鼠が居るのなら面倒を見ようと。 そして結果は… 「………家?」 勿論、鼠は野良犬の後を着いてきていた。 「ああ、お前の家だ」 こうして野良犬の気まぐれで、ドブ鼠の面倒を見る事になった。
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