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今迄注視していたベルトは、指が触れた瞬間に眩い光を放った。
「閃光弾か!?」
一瞬で手を引き戻し、後ろに距離をとる要。しかし、ソレよりも速く要の腰に巻き付くモノが有った。
(ぐっ、腰を取られた!?)
首や神経が集中する鳩尾などを腕で守っていたため、腰に気をつけてはいない。
投げ技や、組技の可能も有る為、一度転がり腰に付けて有るピストルを右手で抜く。
「………何も無い?」
奇襲でも掛けてくるかと思ったのだろう。だが、目の前には不思議な目で要を見ている少女のみ。
「………どういう事か説明しろ」
ピストルを少女へと向ける要。ただの女の子に対して、凶器を向ける必要は無いだろうが、要は闇の世界に浸かっていたため用心深さが半端では無い。
今の出来事は普通に考えて、日常では有り得ない事。
だから要は少女に説明を求めた。
少女の反応は、
「………?」
首を傾げ、要を見るだけだった。
「チッ!さっきの光の事だ!アレは何だ?」
話が伝わら無かった事に、苛立ちの舌打ちをし、再度問い掛ける。
少女は漸く意味が分かったようだ。
要を指差し、
「適合者」
とだけ喋った。
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