第1話『逆転への序章』~前編~

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「依頼人とお喋りをすれば、落ち着くんじゃないかな?」 「…そうですね、そうしてみます…。」 …と、その時! 「わっ!!!!!!」 …誰かが俺の耳元で、とてつもなく大声で叫んだ。 「ぎゃわああぁぁぁ!!!?」 ドンガラガッシャーーン!!! 俺は思わず飛び上がり、派手に転倒してしまった…。 「あっはっは! 相変わらず面白い反応しますね~弁護士さんは。」 「…沙羅さん、驚かさないで下さいよ…。 ただでさえ緊張してるんですから…。」 「そうなんですか、ごめんなさ~い。」 …今俺を驚かせたこの少女が今回の依頼人、呉踊 沙羅(ごよう さら)さん19歳である。 警備員のアルバイトをしていた際、殺人事件が発生し、犯人として起訴されてしまったそうだ。 「…でも、人ってビックリすると余計な力が抜けますからね~。 ちょっとはリラックスできたんじゃないですか?」 「………そ、そうだね…。 ありがとう…ははは…。」 …やれやれ、依頼人の方がしっかりしてるみたいだな…。      
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