~二章~ 幻想の郷と氷の娘

9/17
前へ
/47ページ
次へ
「チルノちゃーん!?」 木の影から新たに人が現れた。 チルノと呼ばれた氷の女の子と同じくらいの、緑髪のポニーテールの女の子。薄い透明な蝶のような羽が背中に存在している。 「大ちゃん!ダメじゃない、迷子になっちゃ!アタイ探してたんだよ!」 一瞬硬直する、大ちゃんと呼ばれた少女。 迷子になったのはチルノちゃんじゃなかったっけ……? とは思ったが、特に反論することもなく、普通に謝って普通に話す大ちゃん。 チルノと話す内、大ちゃんは、人が閉じこめられた氷のオブジェに気付いた。 自分の血の気が引いていくのが分かった。 私の友達は、この人間を氷に閉じ込めて、何をしているのか。 本人には、そんなつもりは無いだろう。 ただの人間が氷漬けにされたら、動けないまま徐々に体温を奪われてやがて──
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加