笑って(アラアリ)

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カシムという幼なじみが亡くなってからアリババはずっと元気が無かった。 当たり前だがアラジンはそれを気に掛けていた。 食事も取らず部屋に引きもっていては体に悪い。 どうすれば良いものかと頭を巡らせたがあいにく、モルジアナやジャーファルは用事でいない。 シンドバットだって煌帝国へ行っている。 自分がやるべきだと思いアリババのいる部屋の扉をノックした。 アリババはひどい顔でベッドに座っていた。 アモンを無言で見つめながらいじくっている。 「アリババくん…」 びくりと顔を上げアラジンだと気付くと少しだけ顔が引きつった。 笑おうとして失敗したとアラジンは気付いていた。 「一緒にご飯、食べよう?」 意味の無い誘いを口にしたが答えはNoだ。 「…いいや。食欲無いんだ。悪いなアラジン…」 視線を逸らした彼に自分を見て欲しくなって、隣に座った。 赤く腫れた目が、泣いていたことを悟ったがあえて気付かないふりをする。 「アラジン、俺さバルバットを救えたか?」 震えた声が問い掛ける。 細い肩にアラジンは小さな手を乗せた。 「ふふ、アリババくん。君はバルバットを救ったよ?皆喜んでたし」 「不安なんだ。カシムだって、俺が…」 ゆっくり手が顔を覆って全てを見えなくする。 目を閉じて闇に包まれて尚反響するカシムの死 「……」 「シンドバット王がいなきゃ俺は」 「アリババくん!」 はっと顔を上げたアリババの額にアラジンは素早くキスを落とした。 ぱちくりと目をまばたきさせるアリババに畳みかけるように言う。 「君がいなきゃこの国は滅んでいた。確かに友達は死んじゃったけどこのままじゃ君も死んじゃうよ、アリババくん。だから僕と一緒にご飯食べに行こうよ!」 にっこり笑うとアリババはため息混じりに笑った。 「…アラジンには勝てないよ」 立ち上がる彼の手を握ると強く握り返してくれた。 …アラアリというよりアラ+アリなってもうた←
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