アンダールール

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アンダールール  僕たちは週替わりで地上に食事をとりに行く当番がいる。  何しろ、地下は無節操な気狂いばかりで食べ物があれば、すぐ胃袋の中か虫の餌にされてしまうもんだから。  これは指揮者が許可してくれた行為だ。  提案を出さなかったら、地面に落ちた泥まみれの食物を食べるところだったので、地上への長い階段なんぞ苦にならん。  ただし、アーレスという地下警備員と共にいかなくてはならない。  そいつがまた横暴なやつで。  何かにつけて文句をいい、僕らを殴る。蹴る。  女にはセクハラもしているらしい。  まぁ上で生まれた奴はみんなそんな奴ばっかりだ。  でも、文句は言えない。  下で生まれる人間は労働をし、黄土色の空を見上げる。  それがこの世界の常識。  おかしいことをする人間は更におかしくなるまで鞭を打たれ、狂っていった。  普通を守らなければ、異常が生じ死す。  でも結局はそれは守れないのだ。 「感慨にふけってるところ悪いが、食料の運搬者が突然倒れたそうだ」  リーシャか。あいつは生まれたときから軟弱で、ここまで無事に生きてたのも奇跡に近かったからな。  今日が命日だろう。 「だからクオード、お前、頼むよ」 「分かりました」 「ここをでて左行った坂道だ。判るだろう? 付き添い人がキレてるから早めに行った方がいい」
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