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「ってぇ~‥」
案の定びっくりして彼方はベッドから転げ落ちた。
頭を擦りながら落ちた当人はむくりと起き上がった。
「おっはよ、青少年?」
「な、ななっ‥」
「遅刻するから早くしてよねぇ~…それとも心優しい美南ちゃんが色々手伝おうか?」
「ふ、ふ…ふざけんなぁあぁあっ!!」
彼方の絶叫に私は馬鹿笑いした。
「な、何でお前がいるんだよ!だいたい、部屋に無断で入るなって言っただろ?」
「そんなにあわてなくてもいいじゃない、幼馴染みのよしみでしょ?それに3回も名前を呼んだのに起きないアンタが悪い♪」
「嬉しそうに言うなよ、美南…ι」
「毎朝の楽しみだからね?」
「お前が楽しむだけの為に俺は体を犠牲にさせられるのか?」
「うん♪」
「…うんじゃねぇだろι」
相当頭をぶつけたのか未だに擦ったまま彼方は立ち上がる。
──やっぱり成長期の男は侮れん…ι
約13年ぐらいコイツの幼馴染みをやってるわけだけど‥昔は背の高さは私の方が少し高かったのに小学校高学年になったくらいから身長が追い付かれて中学に入った時には既に抜かれてた。
──現在私の身長は162cm。彼方との差は多まり10cm以上は差があるわけで、私は見下ろされるって事。
「何でアンタばっかり身長伸びるのかねぇ…?」
「お前は体重が増えてく一方だろ?」
「人が気にしてる事をさらりと言うな!!」
「さっきのお返しに決まってんだろ?」
「…誰のおかげで今、アンタは起きてられるのかなぁ~…彼方ク~ン?」
「はいはい、アナタ様のおかげです、美南サマ?」
「昔はあーんなに泣き虫だったのにいつの間にそんなデカイ口叩くようになったのかしら?」
「誰かさんの性格の悪さが影響してるんだと思うんですケド?」
「誰かさんって誰よ?」
「自分の胸に聞いたら?」
「『私の性格は悪いですか?』『いいえ?貴方はとても優しい方です』…だってさ?」
私は言われた通り自分の胸に手を置いて自問自答してやった。
「‥さて着替えるかな…っと」
「さらっとスルーしたわね、アンタ…」
「いつまでいる気だよ…覗きたいの?ヘンタイ」
お返しと言わんばかりに彼方は『あっかんべー』と舌をペロッと出して上半身の服を脱ぎかけてた。
私は口も悪いしいじめっ子な性格だけどそういう方面には純情だったりする。
・・・だから―――
「誰が見たがるかぁあああっ!!//」
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