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「おい、そこの坊主。お前だよお前!そう、今俺とがっちりしっかり目が合ったお前だよ、他に誰がいんだ?ああ?」
拝啓、故郷の母様へ。
母様のお使い…じゃなかった修行の旅に出てから早3日。また柄の悪い輩に絡まれました。
こういう時は大抵お金を要求されますから、多分この人も…
「なにボーっとしてんだ坊主!早く有り金全部置いてけや!」
ほら、やっぱりそうでした。
「申し訳ありませんが僕のお金は全て母様の管轄…じゃなかった、物なのでお渡しできません」
そうそう。母様はお金の事になると般若より恐ろしくなられますから。そんじょそこらの輩にお金を渡すわけにはいきません。そうですよね、母様?
「んだとぉ?!ガキが、俺より母親が怖くて金出せねえとは…いっぺん痛い目みせてやろうか?!ああ゛ん?!」
おぉう。大変です。おじさんが怒ってしまいました。
ですがその言葉、そっくりそのままおじさんに返して差し上げましょう。
「まずはその地味な顔をボッコボコに…」
「おい、そこのおっさん」
「ああ?テメェ誰がおっさ…へ?」
あ~あ、おっさん哀れな。とりあえず合掌しとこう。南無南無。
「貴様ぁ…俺の可愛い可愛い弟になにしてくれてんだぁあああ…?」
「えっ弟…?!」
イエスオフコース。その今マジギレ状態の軍服野郎様こと千代兄様と半ギレ状態の乱れた着物きた野郎こと静香兄様はまさしく俺の兄貴様方です。
ちなみに千代兄様が7つ上、静香兄様が9つ俺よりも年が上です。
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