SSS

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「なあ、どこに向かってるんだ?」 SSSの制服に着替えた後、俺は再びゆりに連れられて校舎内を歩いていた。 ちなみにさっきの会話の中で出てきた渡すもの、というのは明日渡すことにしたらしい。 「こっちにある空き教室よ。 そこがガルデモの練習場所だから」 「ふぅん……」 どこに行くのかも、何を見るのかもよくわかっていない俺は完全に気の抜けた返事をしてしまっただろう。 しかしそれを気にする人はいなかったようで、そのまま歩き続ける。 「なあ、入江はガルデモが何をやってるのか知ってるんだろ?」 「は、はい……知ってます。 というか、私もガルデモの一員なので……」 「そうなのか?! だったら何をやってるのか教えてくれよ」 隣を歩く入江に尋ねてみたら、思いがけない答えが返ってきた。 どう見ても陽動なんて向いてそうにない、この臆病そうな女の子がガルデモの一人だなんて驚きだ。 「多分、もうすぐ聴こえてきますよ」 入江はそうとだけ言った。 聴こえるって一体何が? そう尋ねようとした時、本当に何かの音が聴こえてきた。 「これは……ギター?」 「そうよ。 これがガルデモの活動」 先を歩いていたゆりが顔だけをこちらに向けてそう言った。 「ガルデモは、この学校で大人気のガールズバンドなの」
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