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「えっと……ここはどこだっけ?」
目が覚めたときに見えたのは、見覚えのない天井だった。
「ああ、そうか。俺の部屋が見つかったんだっけな……」
まだ覚醒しきっていない頭で昨晩のことを思い出す。
日向と二人で、部屋の前に付けられている名札を、一室一室確認していったのだ。
結局俺の名前があったのは四階の一室。
もともと着ていた方の制服のポケットから出てきた鍵が一致していたため、そこが俺の部屋に違いないと判断して眠りについたのだった。
「ルームメイトはまだいない、か」
部屋の前に付いていた名札はもう一つあったのだが、昨夜も今朝もその姿は見えない。
「音無って、一体どんなやつなんだろうな……」
NPCだとしても、ルームメイトならば接する機会は多いだろう。
気の合う奴ならばいいんだけど……。
目が覚めてから少し経つと、ドアがノックされた。
「柴田、起きてるか?」
「ああ、鍵も開いてるから入ってくれて構わないぞ」
俺がそう言うとドアが開き、日向が部屋に入ってきた。
「なんだ、もうルームメイトはどっか行ったのか?」
「いや、多分帰ってきてないんだと思うぞ」
昨晩から部屋の様子が一切変わっていないようなので、おそらく俺以外には誰もこの部屋に入っていないのだろう。
「ホントか?
もしかしたら音無ってやつは、NPCじゃないのかもしれないな……」
「昨日天使に刺され……いや、やられてたやつとか?」
昨晩見た衝撃的な光景を鮮明に思い出してしまいそうなため、思わず途中で言い直してしまった。
「その可能性は高いだろうな。
ほかの人間は、もうほとんどがSSSに入ってるわけだし」
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