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「ここは……どこだ?」
気がつくと、俺は見知らぬ建物の中に立っていた。
建物の構造や、辺りにいる人の格好からここがどこかの学校であるのはわかる。
しかし、ここは俺の通っている学校なのか?
そんな疑問に答える事が出来なかった。
俺は何も分からないようだ。
通っていた学校のことも。
どんな知り合いがいるのかも。
そして自分が誰なのか、ということさえも。
要するに記憶喪失、というやつなのであろう。
その結論に至っても、なぜだか焦燥感はなかった。
俺は楽観的な人間だったのだろうか。
そんな風に思いながら、とりあえず記憶の手がかりでもないかと考えその場を離れていくのだった。
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