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「そうだなぁ……じゃあこれはどうだ?
死ぬのはお前だ戦線」
「私が殺されるみたいじゃない」
「いや、もちろん相手はあの女だ」
「じゃあこっち見なさいよ。
死ぬのはお前だ戦線」
「うっ、やべぇ。
確かに俺が殺されそうだわ」
「ふぅ、ほかには?
何か案はないの?」
不機嫌そうに尋ねるゆりに対して、日向が提案する。
「これ格好よくね?
走馬灯戦線」
「それ死ぬ寸前じゃない」
「じゃあこれでどうだ?
決死隊戦線」
「死ぬのを覚悟してるじゃない」
「絶体絶命戦線」
「絶対絶命じゃない!」
「じゃあ、無敵艦隊」
「今度は戦線じゃあなくなってる……」
「玉砕戦隊!」
「殴るわよ」
「ライト兄弟!」
「大喜利か!」
代わる代わる提案されていくが、どれもゆりのお眼鏡にはかなわないらしい。
というか、俺もそんな名を名乗りたくない。
「もう、最後は戦線なのよ。これは譲れないわ。
私たちはこの戦場の第一線にいるのよ。
もっとマシな案はないの?」
と言われても、ここがどんな集団なのか把握しきれていない俺にまともな案が出せるわけはないだろうしなぁ……。
考えていると、大山と呼ばれた中世的な顔立ちの男子が口を開いた。
「ねえ、その人、もう起きてるんじゃない?」
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