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「ええっ! フジツボって食べられるの?」
藤巻の発言に反応したのは大山だった。
「食用のものもあります」
「知らなかったぜ」
「浅はかなり」
「まあまあ、皆。
そんな追い出すようなまねはしないであげなさい、可哀そうに。
この我が……あ、えと……今何だっけ?」
「フジツボ戦線」
「そう、この我がフジツボ……」
言いかけたところで気づいたゆりが、元凶である藤巻の顔面を蹴った。
「元に戻す! 死んだ世界戦線」
「いい蹴りだったぜ……」
藤巻の発言は無視して話が進められる。
「この戦線の本部にいる間は安全なんだから。
彼もそれを知って逃げ込んできたんでしょ?」
「いや、知らないし。入ろうとした途端、吹っ飛ばされたし。
っていうか、来世があったとして人間じゃないかもしれないなんて、冗談だろう?」
真剣な顔で尋ねる生徒。
「冗談ではない」
「だって、そんなの確かめられないじゃないか。
誰か見てきたのかよ?」
すがるように問い詰める生徒。
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