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生徒は差し出された手を見て悩んでいる。
そして……。
「早まるな、ゆりっぺ……うわぁぁぁっ」
生徒が差し出された手を撮ろうとしたのとほぼ同時に開いたドアを見ると、先ほど見たのと同じ光景が繰り広げられていた。
「アホだ」
「自分の仕掛けた罠にはまってやがる」
「俺もああなってたのか……」
「ここに無事に入るには合言葉が必要なのよ。
対天使用の作戦本部というわけ。
ここ以外に安全に話し合える場所などないわ」
「……少し、時間をくれないか?」
確かに、この状況でしっかりと考えずに結論を出すのは危険だろう。
俺はろくに考えもせずにここにいるのだが……。
「ここ以外でならどうぞ」
ゆりの言葉に悩んだ様子を見せる生徒。
「む……」
「ん?」
「……OKだ!」
「おぉっ」
勢いのある生徒の言葉に、その場にいた皆が反応した。
「合言葉は?」
「ふふっ、神も仏も、天使もなし」
その言葉と同時に、生徒とゆりは固い握手を交わしていた。
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