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「あと、ここにいないだけで戦線のメンバーはまだ何十人と校内に潜伏しているわ。
そういえば……あなた、名前は?」
そこまで紹介を終えて、ゆりが生徒に名前を聞いた。
「え、ああ、えっと……お、ぉ……音、音無」
「下は?」
「思い出せねぇ……」
「記憶がないパターンか。安心しろ、直に戻るさ。
それに、もう一人記憶がないやつはいるしな」
日向がそう言いながら俺へと視線を向ける。
「おい、制服渡さなくていいのか?」
「あ、そうね。忘れてた」
「おいおい、またかよ」
昨日も俺に渡すのを忘れていたようだし、適当すぎじゃないかと思う。
「そういえば、なんで俺は……その、お前たちとは違うんだ?」
「アンタが違うんじゃないわ。私たちが違うのよ。
それは模範生の恰好。これが私たち、SSSの格好ってわけ」
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