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「バカ」
柴田部長は呆れた口調でそれだけ言うと、小さく溜息をつく。
動かない体で何とか視線を柴田部長の方へ向けるも、その表情は見えなくて。
柴田部長がどんな気持ちでわたしに付き添っていたのか気になった。
それよりも……
「あの……」
わたしは再び掠れるような小さな声で、気になったことを柴田部長に問い質した。
「現場……どう……なりました……?」
わたしの不注意のせいで騒ぎになったに違いない。
足場の解体は続行されたのかな。
工程は工期内にちゃんと終わるのかな。
わたしの頭の中はこの期に及んでも仕事のばかりだ。
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