出現

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父が動かない理由とか 母が泣いてる理由とか あの頃の俺には分からなかったと思う。 でも、父の体から流れる血を見たとき、全てを思い出した感覚に襲われた。 俺は黙ってその強盗に近づいた。 「来るな、ガキ パパみたいになりたいのかぁ??」 男がラリった目で言う。 「オイ、聞いてんのかガキ!!」 銃声と共に銀行内が悲鳴に包まれた。 グシャ カラン 俺は握りつぶした銃弾を投げ捨てた。 「僕のママを泣かすなよ!」
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