bubbleS

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秀零学園は偏差値レベルが高く、施設も整っていて、自由で完璧な学校。それゆえに倍率も高く日本では一位二位を競うほどの難関校だ。 秀零学園の音楽室 ハスキーな女の歌声と柔らかな男の歌声が重なり合い、共に色々な楽器の音が響く。 bubbleS《バブルス》 軽音楽部だ。 部員は6人で、もう廃部になってもおかしくは無いがなぜかずっとあるのだった。 今日は学園祭に向けての練習をしているのだ。 千秋 「もうやめようよ疲れた。」 由梨 「まだ。一番音程がずれてるのは千秋だし。」 千秋 「え~ウチより頼の方がずれてるよっ」 頼 「うるさい。俺はお前よりかはマシだ。」 千秋 「なにそれ!言い訳は十分だし。この前だって……」 千秋と頼は喧嘩し始めた。といってもいつもの事だから、どうといったことは無い。 雅 「やめろ。7時までずっと練習させるぞ。 千秋 頼 「それは嫌!」 神無 「じゃあ、あと1回会わせたら帰ろっか。」 拓海 「そうだね。早くしよう。」 雅はチチッ…チとスティックを2回ほど早く音を鳴らし、最後に1回柔らかく鳴らす。これはbubbleSだけの開始の合図だ。 そして雅の落ち着いたドラム音が響き始める。同時に神無の穏やかなキーボード音。すると千秋と頼の明るくて力強いギター音が響き、由梨のハスキーな歌声と拓海の和やかな歌声が重なりあう。 音楽は性格が出る。 小学生やら中学生の時に音楽の先生に1度は言われたことがあるだろう。 bubbleSの演奏はその言葉の意味を表しているようだ。 いや、それ以上言いようがないくらいに、ジグソーパズルのピースのように、それぞれの音が混ざり合って一つとなる。
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