一ノ章“出会い”

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2011年、夏… 蝉の鳴く声が響き、毎日暑い日が続いていた…。 ガレージの奥で車をいじっている音が聞こえる… オレは、陣内好誠(じんのうち・こうせい)。今は、愛車が電気系のトラブルを起こしたのを修理している。この車は働いてすぐに近くにある整備工場“藤代自動車”のおじさんに譲ってもらった“日産180SX”だ。最初からエンジンにも手が加えてあったので、金をかけること走り屋になることができたのだ。 「はぁ~この車もそろそろガタが来たかな💦」 「んなことないだろ~オレがいじってやったんだからよ!」 こいつは、藤代自動車の一人息子でオレの親友の藤代巧(ふじしろ たくみ)。 オレを車好きにした張本人だ。 「好誠~今夜走りに行こうぜ!なんか、“峠の帝王”とか言うやつが来てるらしいぜ。」 そんな一言からこれからあんなことが起きるとは、二人とも知る由もなかった。
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