鏡ネタ

2/3
前へ
/6ページ
次へ
鏡に映ってる自分が僕の顔を見て笑うんだ。 「兄貴は昔から進歩してねぇよな」 五月蝿い。ウルサイ。うるさい。 鏡を殴ると、一瞬高い音が響いて。 少ししてから、血が滲んで来た 血は手から滑って床に滴り落ちて、 さっき割れた硝子の破片は床に突き刺さって、そのまま。 割れた硝子の奥にいる、その口を黙らせるには、こうするしか、無かったの? 本当の自分を知るのが怖くて。 いつも、いつも、過去の自分に囚われて。 そんな自分に─ 「サヨナラ、したかったんだろ?」 鏡の外の僕が、不気味に微笑んで、僕の、胸を、刺した。 鏡の中の僕は、只ただその綺麗な躰を、見つめる事しか出来なくて。 end. (朽ち逝く躰にサヨナラを告げる) .
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加