Isola Solitaria

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 将来はどうするの?と今の島の若い奴らに訊ねたら、みんな大抵「都会に出たい」と答える。だが僕の場合「わからない」と答えるだろう。それは進路に関わる。高校2年となった今、それをこの夏休みを利用しはっきりさせなければいけない。いい加減親もうるさいし。 「ナツもどうだ、バイト。まだ人手不足だからさ」 「お前より力のない僕が民宿手伝っていいのか?」 「まぁぁたナツはー」  正直、バイトは気乗りしない。すれば進路になんらかの変化はあるだろうが、何故か躊躇いがある。面倒だからなのかはわからなかった。  孝明はいいじゃんいいじゃんと連呼する。 「金貯めて夏休み満喫できるし、何よりお前は金がかかるだろ」 「小説買いは中古で我慢してるからそこまでじゃないよ」 「そうじゃなくてさ」  ニヤニヤしながら孝明は小指を立てる。ああ、そこか。島の到着を待つ客がいる部屋から笑い声が聞こえた。女子数名。その中には愛結美(あゆみ)の笑い声もあった。  愛結美は僕のカノジョだ。見た目はクラスの中では可愛いほうだし、1年の学校祭のときは確かミスコンに出て準優勝だったはず。そしてそのミスコンのあとに、彼女から告白された。ただの眼鏡の小説オタクのどこに惹かれたのかは謎だったが、付き合うことになった。  
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