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まあ、先程言った美少年云々は嘘なので、今更ロリコン扱いされても大丈夫だろう。
ゼロがマイナスになったくらいで、一般人がロリコンに格下げになるのは――大ダメージだ!
さっさとクロを捕まえなくては。意気込み、僕は再度校庭をしっかり見る。
が、やはり見つからない。あいつは小さいし、しっかり見ないといけないとはわかるが……。
「文さん」
ん? 下から声がする。
「文さん、私を置いていくなんて酷いですよ」
視線を下げると、満面の笑みを浮かべるクロがいた。本当に小さい。
僕はため息を吐く。そしてそのままクロへとチョップを入れた。割りと強くやったのだが、クロはびくともせず笑顔を浮かべたまま。ちょっと怖くなったのは何故だろう。
「酷いのはクロだよ!
君は勘違いされそうなことをペラペラと、もう……」
「事実じゃないですか。夢で会う仲ですよ? 昔の日本では夢で会うのは深く」
「いやいや!
っていうか、いきなり夢で――」
――あれ?
僕はふと疑問を感じた。
『夢で会う仲』……と言っていた、ということは。
「君は……夢で話したことを覚えているの?」
ということになるだろう。
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