一章:目覚め

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     まあ、先程言った美少年云々は嘘なので、今更ロリコン扱いされても大丈夫だろう。    ゼロがマイナスになったくらいで、一般人がロリコンに格下げになるのは――大ダメージだ!    さっさとクロを捕まえなくては。意気込み、僕は再度校庭をしっかり見る。    が、やはり見つからない。あいつは小さいし、しっかり見ないといけないとはわかるが……。   「文さん」    ん? 下から声がする。   「文さん、私を置いていくなんて酷いですよ」    視線を下げると、満面の笑みを浮かべるクロがいた。本当に小さい。    僕はため息を吐く。そしてそのままクロへとチョップを入れた。割りと強くやったのだが、クロはびくともせず笑顔を浮かべたまま。ちょっと怖くなったのは何故だろう。   「酷いのはクロだよ! 君は勘違いされそうなことをペラペラと、もう……」   「事実じゃないですか。夢で会う仲ですよ? 昔の日本では夢で会うのは深く」   「いやいや!  っていうか、いきなり夢で――」    ――あれ? 僕はふと疑問を感じた。    『夢で会う仲』……と言っていた、ということは。   「君は……夢で話したことを覚えているの?」    ということになるだろう。  
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