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それに対し、クロは当たり前だと言わんばかりに堂々と答えた。
「私は夢の住人ですからね。人の夢に入るのは勿論、この世界に現れるのも朝飯前です」
夢の住人。またあの訳のわからない単語が出てきた。
「へー、そうなんだ。
とりあえずこっちに来て」
こう理由も何もわからずに、意味不明な展開に巻き込まれるのは好ましくない。
僕は適当な返事をするとクロの手を引き、校舎の横に連れていく。
生徒達の視線が痛い……。僕が小さな女の子を、人気がない場所に拉致していくとでも思われているのだろう。
しかし今は気にしている場合ではない。夢云々が本当なら、彼女が言っていたことも真実である可能性も高いのだ。
そう。
僕が人を五人殺さないと世界が滅びる、ということも。
鳴り響くチャイムを聞きながら僕は、またため息をつく。
無遅刻無欠席が潰えた、と……。
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